社会貢献コラム
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2020/8/17 影絵劇団「 いちばん星」 との 2 5 年の歩み(静岡支部 望月 幸枝 氏)

影絵劇団「 いちばん星」 との 2 5 年の歩み

 

静岡支部 望月 幸枝

 

音楽と色彩とおはなしで夢の世界を彩る影絵を各地の子どもたちに届ける活動をしてい  ます。

  • 始まりは 2 5 年前に遡ります。公民 館の開設記念イベントに向けて、何かでき ることはないかと思い立ったのがきっかけで した。話し合いを重 ねてきた結果、N H K教育テレビで観た影絵に挑戦 しよう と思いまし た。影絵の劇団員は、男性 1 名、女性 6 名の計 7 名です。公演先は保育園、幼稚園、公民館、養護学校、養護施設、病院など、県内をメインに他県にも行きます。

影絵の上演には色々な技術と機材が必要になります。「子どもたちが喜ぶ影絵でありたい」 と皆で話し合いました。技術指導の講師を依頼し、すべての人形制作を一から手作りしました。人形を作成する過程では、多くの困難がありました。針金やテグス糸等で頭、首、体、手足が動くようにするために何度も失敗し、完成には繊細な作業を求められました。はじめて光を当てスクリーンに映ったときの感動は今でも忘れることはできません。カラーフィルムにより光の調和が生まれ、幻想的な影絵が実現てきました。すべてが手作りということで一体一体に愛着も湧いてきました。暗体操作はその役になり切ることで、いきいきとした動きを演出できます。人形の動きが滑らかになるまで繰り返し練習しました。音と光に合わせ、スクリーンにタイミングよく映し出します。暗闇の中で膝を床に付けて移動しながらの動作で、仲間と重ならないように神経を使います。暗体は大きいものから小さいものまであり、一人では動かせない大きなものもあります。 50種類ほどの暗体をスクリーンに次々映し出し、子供たちを影絵の世界に引き込みます。現在の演目は、ジャックと豆の木、アラジンと魔法のランプ、一寸法師、カニ昔です。その他、歌の影絵として泳げたい焼きくん、山の音楽隊、おもちゃのチャチャチャ、インディアン、汽車などです。

現在も、各地より公演の問い合せをいただいています。要請があれば全国どこへても出かけます。これまでも北は福島の被災地、南は愛媛まで伺いました。公演中スクリーンの向こうから聞こえてくる子どもたちの高い歓声が、次の講演に繋がる力強いエネルギーになっています。公演時に子ども向けのワークショップを行うこともあります。カラーフィルムと割りばしなどの材料を配り、実際に暗体を製作し影絵体験をしてもらいます。自分たちでつくった暗体に光を通してスクリーンに当てたとき、子どもたちからの大歓声が会場に広がります。

デジタルが主流の世の中ではありますが、影絵を通じて手作リの良さを伝えていけるように、年齢と体力の続く限り活動していこうと考えています。

 

  

 

 

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